清水理事長がアントレプレナーシップ教育記念講演会に登壇

令和7年3月14日(金)、東京都北区堀船中学校にてアントレプレナーシップ教育記念講演会が開催されました。

東京都北区は渋沢栄一の⼈⽣の拠点と言っても過言ではなく、⾶⿃⼭に本邸を置き、新たな時代を切り開いた地として知られています。

堀船中学校では、生徒たちがこれからの時代を生き抜く力を養うため、アントレプレナーシップを育む教育の研究に取り組んでいます。渋沢翁が設立した第一国立銀行(現みずほ銀行)や東京株式取引所(現東京証券取引所)など多方面の現場を訪ね、社会の仕組みを学ぶとともに、専門家を招いた講演を通じて具体的な実例に触れ、主体的に行動する姿勢を身につけています。また、高校や専門学校への訪問、アメリカからの学生受け入れなど、同年代(やや上の世代)との交流も活発に行っています。

高峰譲吉と渋沢翁は出会ってから35年以上交流を続ける中で、会社を共に起ち上げ、お互いの得意分野で相手をサポートしながら、生涯の友人関係を築きました。そんな二人の縁がきっかけとなり、高峰の郷土である高岡・金沢と北区の交流行事が2022年に始まりました。この3年間では、富山県高岡市立福岡中学校とのオンライン交流会を皮切りに、金沢工業大学による移動科学実験教室の開催など、多様な行事を積み重ねてきました。こうした一連の取り組みの集大成として、今回の記念講演会が実現したのです。

堀船中学校の生徒たちは、高峰と渋沢翁のクイズなどを出し合ったオンライン交流会や麹菌・アミラーゼの実験教室で、高峰について説明を受ける機会は何度もありましたが、高峰がどのように成長し何を成し遂げたか、どのような思考に基づいていたか、という生涯を通した講演は初めてです。しかも、普段は科学者としてスポットライトが当たる高峰譲吉ですが、この日はアントレプレナー(起業家)として取り上げられました。

渋沢翁とともに起ち上げた日本初の化学肥料会社や、自身の開発した薬を販売する製薬会社、国産プラスチック(フェノール樹脂)の会社などの話と共に、トヨタ自動車の始祖・豊田佐吉へ与えた影響、理化学研究所の創設提案など、明治・大正時代における活躍を伝えました。もっとも、高峰だけが特別なのではなく、当時はエネルギーの塊のような人物が大勢いて、彼らが一体となって日本の近代化を推し進めていたのです。

3年生約80名に1時間の講演を終えた後、生徒代表からお礼の挨拶を頂きました。

それは「これまでの学習を通して学んだ高峰博士の生き様、志を胸に高校生活を頑張ります!」との頼もしい言葉で、未来を担う生徒の強い決意を目の当たりにし、日本の将来に大きな期待を抱かせる瞬間でした。

最後に、昨年発刊した「高峰譲吉がわかる」を生徒全員にプレゼントしました。さらに「高峰」を深めてもらい、堀船中学校のアントレプレナーシップ教育の成果に繋がることを願っています。

記事作成:令和7年月日/文責:事務局

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