千葉市科学館2018化学月間講演
化学遺産と認定記念:「化学起業家の先駆け 高峰譲吉の物語」
11月23日(金)、千葉市科学館で高峰博士に関する特別講義が行われました。
千葉市科学館は、定期的な土日講座、ワークショップ、ボランティアによる化学工作体験、プラスサイエンスなど「人が主役」となる様々なプログラムを通して、科学にアプローチしていく、新しい参加体験型の科学館です。(HP(リンク:http://www.kagakukanq.com/)より)
今春、高峰譲吉関連資料が化学遺産に登録(リンク:https://www.npo-takamine.org/info/58.html)された際、日大で行われた関連講座に出席されていた室谷氏が講師を務めます。室谷氏は、日本に数ある科学館の中に、”化学”を増やしたいとの思いで16年間に及ぶボランティアの講師経験をお持ちです。金沢のご出身ということもあり、今回の講義のテーマは、「2018化学月間講演 化学遺産と認定記念:「化学起業家の先駆け 高峰譲吉の物語」となりました。
研究会は、資料協力として、科学伝記マンガ「高峰譲吉博士物語」を提供しています。千葉市科学館のスタッフの方から、研究会の紹介を頂き講義が始まりました。
まず初めに、「化学の日(10月23日)」の説明と記念缶バッジを頂きました。
人々の暮らしを支え、地球の未来を創る「化学」の魅力をより多くの方に知ってもらおうと、日本化学工業協会、日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会は2013年、物質の基本単位である「1mol(モル)」にふくまれる原子や分子の数が「6.02×10の23乗」であるというアボガドロ定数にちなみ、10月23日を「化学の日」と制定したそうです。
(夢・化学-21 HPより(リンク:http://www.kagaku21.net/chemistry/))
講義で印象的だったお話は、当時の人物相関図を独自に作成し、人間関係をいろいろな角度から説明されていたことでした。高峰博士は、幅広い事業の起ち上げを行っていましたが、様々な人脈を駆使し局面の打開を図っていたこと、場面ごとのキーパーソンが実は同一人物による仲介であったことなど、参加者も興味を持った様子でした。また高峰博士が工部大学校(東京大学工学部)の卒業論文で石油について書いたという情報を教えていただきました。色々と調べてみると、明治期の工部大学校の卒業論文は、現物が保存されているものと現存しない(と思われる)ものに整理されていて、高峰博士の卒論は現物確認がされていないとのことでした。
ある伝記では、卒論のタイトルは「石油につきての研究」と記されているようですが、実際には英文で記され、正確なタイトルは「Petroleum and bioproducts」だったということもわかりました。
この件については、改めて時間をかけて調査したいと考えています。
(記事作成:平成30年11月24日、文責:事務局)