タカヂアスターゼ、未来技術遺産に登録される
国立科学博物館は、9月1日、科学技術の歴史上重要な成果として保存する重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、タカヂアスターゼなど25件を登録すると発表。
その記事が、9月2日(水)の朝日新聞朝刊3面に掲載されましたので、ここに紹介します。
この制度は2008年に始められ、登録された未来技術遺産は、今回で計209件となったそうです。
参照サイトは、> こちら (タカヂアスターゼは、第00208号)
国立科学博物館は1日、科学技術の歴史上重要な成果として保存する重要科学技術史資料(未来技術遺産)に、犬型ロボットAIBOや、夏目漱石の小説にも出てくる胃腸薬など25件を登録すると発表した。
(中略)
胃腸薬タカヂアスターゼは、高峰譲吉が1894年に発見した消化酵素を商品化し、世界各国で発売された。現在売られている胃腸薬の成分にも含まれている。小説「吾輩は猫である」では、胃弱な「主人」が「大飯を食った後」に服用する様子が書かれている。漱石本人も飲んでいたという。
(後略)
(朝日新聞 9月2日朝刊第3面の記事より抜粋)
高峰博士のタカジアスターゼ関連の特許が成立してから、実に121年目の快挙でした。
上記新聞記事の抜粋には1894年に発見…となっていますが、これは特許が成立した年であり、実際には、高峰博士はその10年前、ニューオーリンズ万国博に事務官として派遣された時には、既にタカジアスターゼの原点とも言える、強力なジアスターゼサンプルを密かに携えて行っていたのでした。(下記参照)
『数年前、(中略) 日本製の麦芽抽出製品が博覧会の日本の責任者高峰教授から私に提供され、その飛び抜けた効力の高さに驚かされました。』
(1891年の学術誌に、薬学博士Ferdinand Lascar氏が発表したもの)
→ 参照:「タカジアスターゼの原点」
登録証と楯
写真提供:第一三共株式会社
なお、9月15日(火)から10月4日(日)まで、国立科学博物館上野本館・日本館1階中央ホールにて、「未来技術遺産 登録パネル展」が開催されました。
(記事作成:平成27年10月10日、文責:事務局)