シドモア桜100周年記念 (2)
「里帰りを喜ぶ市民の会」設立総会/於:横浜 野毛Hana*Hana 2011年3月27日
2月2日に行なわれた発起人会設立準備集会で始動した「里帰りを喜ぶ市民の会」が、3月27日(日)設立総会を開催し、正式に発足いたしました。
同会の規約には、「目的」として次の2点が掲げられています。
1)日本人の最も愛する桜樹による日米間の親善・友好という(エリザ・シドモアと高峰譲吉の)100年の夢を次世代に引き継ぐこと。
2)先人の築いてくれた日米友好の架け橋を基礎とし、新しい交流の輪を広げて行くこと。
総会に先立って、午後2時より、シドモア女史の墓参ツアーが組まれました。
横浜シティーガイド協会/嶋田さんの案内で、元町、外人墓地(ここでシドモア女史のお墓参り)、異人館、フェリス等を約2時間かけて見学。嶋田さんの詳しい説明は、大変興味深いものでした。
普段は入れない外人墓地の日当たりの良い一角に、シドモア女史のお墓はありました。
(下の写真右は、ワシントンから里帰りした「シドモア桜」/写真提供:シドモア桜の会)
著名な旅行家作家であったエリザ・シドモアは、兄が横浜領事館に勤務していた縁で1884年に日本を訪れ、各地を旅するうちに、桜の花と桜を愛でる日本人の精神に感銘を受け、ポトマック河畔に桜を植樹する事を思い立ったのです。
当時、日本の桜の美しさを知っていた米国タフト大統領夫人のヘレン・タフトに会ってポトマック河畔への桜植樹を提案し、募金活動などを行いました。
一方、既にアメリカで桜の植樹を考えていた高峰博士は、この事を知って強力な援助を行ない、一度は(害虫問題で)失敗したものの、1912年3月27日、ついにポトマック公園での植樹式にこぎ着けたのです。
午後5時より野毛Hana*Hana 会場にて設立総会が行なわれた後、当NPO理事長(当時)の山本綽、横浜開港資料館の西川氏(写真左から二人目)によるパネルディスカッションが行なわれ、高峰博士とシドモア女史の繋がりなど、大変興味深い話しが聞けました。
(▲写真左から、歌手・白井貴子氏、西川武臣氏、山本綽、映画監督・市川徹氏)
来年、2012年は、ワシントン・ポトマック河畔に桜が植樹されてちょうど100年。盛大な桜祭りが予定されておりますが、今年もこの26日から恒例の桜祭りが始まっており、グレイ市長は「市内の桜は日米両国民の友情を象徴するもの」と語って、今回の大震災に対しても日本への全面的な支援を訴えたそうです。
また、当NPO法人事務局に於いても、小さな鉢植えではありますが、桜の花が咲き始めております。シドモア桜100周年「里帰りを喜ぶ市民の会」の活動の成功と、震災被災地の皆様の一日も早い復興を、この場を借りてお祈り申し上げます。
(取材:平成23年3月27日、文責:事務局)