高岡市立 高陵中学校で講演

富山県高岡市における当研究会山本理事長による講演は、今回の高陵中学校での講演会で5回目となります。これらの講演会は高岡市・高峰譲吉博士顕彰会の世話役を務めておられる藤森登氏(写真・右)のご尽力により実現したものです。
 第一回目の市立国吉中学校を皮切りに、引き続き市立中田中学校、市立牧野中学校、市立戸出中学校で、既に毎年講演会が行われて来ました。
 高峰譲吉博士顕彰会は、博士の業績を顕彰し、子どもたちに科学への関心を深めてもらうとともに、高岡市の科学教育の振興と文化の発展に役立てるために、平成6年に市内の経済界などを中心に設立されたもので、高岡市教育委員会総務課内に置かれています。
 当日高陵中学では午後の5・6時限目を講演会とし、授業の一環として行なわれました。
高岡市立高陵中学校
 午後1時過ぎ、全校生徒約300名は、各自の椅子を持って体育館に集まりました。
 その様子を拝見いたしましたが、各教室から順次体育館に集合し、きちんと整列するまでおよそ10分。1時15分には整列し終えてしんと静まり返り、咳一つ聞こえませんでした。
 こういうことは急にやれと言われても直ぐにできるものではなく、日頃の教育と訓練の賜と、感心させられた次第です。
高岡市立高陵中学校
 講演会は1時半ちょうどに始められました。タイトルは『郷土が生んだバイオテクノロジーの父 高峰譲吉博士』です。
 講演内容は基本的には高峰譲吉博士の生涯についてですが、対象が郷土の中学生ということもあって、生家跡の高峰公園のこと、黒部川の電源開発や高岡銅器に代表される鋳物技術によってアルミニウム工業が盛んになったことなど、郷土にまつわる話にスポットが当てられました。
 勿論、酵素技術から生まれたタカジアスターゼや、現在でも医療の現場で欠かせないアドレナリンのことなど化学の分野も、多くの事例を引いて分りやすく語られました。
高岡市立高陵中学校
 最後に生徒からの質問がいくつかありました。その中で「こんなに立派な高峰博士が、何故有名ではないのですか?」との正直な問いに、山本理事長は野口英世を引き合いに出し、苦労はしたが生い立ちが恵まれていてアメリカで成功した高峰博士より、生い立ちが貧しく苦労して道半ばで亡くなった野口英世の方が皆に受け入れられたのでしょう…と答え、また、残念ながら野口英世は教科書に載ったが高峰譲吉は載らなかったから…とも話しました。
 我々研究会としても、高峰譲吉博士のように世界的に高名であり、公私ともに優れた実績を残した日本人を、是非とも教科書に載せて欲しいものだと思いました。
高岡市立高陵中学校

(取材:平成24年11月6日、文責:事務局)

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