国際微生物連合2011会議 (IUMS2011) /札幌

2011年9月6日〜9月16日

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外観

国際微生物連合2011会議 (IUMS2011) とは

 細菌学・応用微生物学、真菌学、ウイルス学の3 部門で構成される国際微生物学連合 (International Union of Microbiological Societies) による国際会議のことで、3年に1回世界各地で開催されており、我が国では21年ぶり(ウイルス学部門は27 年ぶり)の開催、また、札幌における過去最大規模の国際会議となりました。
 世界82か国・地域から約5,000名の参加者が予定されており、会期前半の6日〜10日が 細菌学・応用微生物学、真菌学部門、11日〜16日がウイルス学部門となっています。

 私たち「高峰譲吉博士研究会」が参加したのは前半の部門で、シンポジウムとパネル展示を行いました。これはIUMS2011 国内組織委員会委員長で当研究会会員でもある冨田房男博士のご尽力により実現したもので、高峰博士とも縁の深い 北里柴三郎博士(学校法人北里研究所)との合同シンポジウム・展示という形となりました。
 冨田先生には、主催者側責任者という超多忙の職務の中、会場内を飛び歩きながらも同展示に関してあれこれご配慮いただき、この場を借りて心より感謝申し上げたいと思います。

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高峰−北里 記念シンポジウム/展示

 パネルを中心とした展示は、札幌コンベンションセンター・特別会議場において6日より開催されました。私たち「高峰譲吉博士研究会」および「学校法人北里研究所」ともに、各々15枚のパネルと両博士ゆかりの手紙、遺品等を展示。国際学会であるが故に、パネルや説明文は全て、日本語・英語並記で作成されました。当研究会は、新しい入会案内パンフレットの他に、高峰博士の概略を説明した日本語と英語のパンフレットも用意し、配付しました。また、映画監督・市川徹氏のご協力により、映画「さくらさくら」「TAKAMINE」のダイジェスト版を、会期中上映(下の写真/左手奥のスクリーン)いたしました。
展示会場
 同会場は休憩室も兼ねており、広いフロアには丸テーブルと椅子が多数置かれ、参加者や取材記者たちが思い思いに展示に見入ったり、テーブルで原稿や資料を整理する光景が見られました。

 シンポジウムは9日の午後4時30分から、大ホールを区切った RoomA(700人収容)で行われました。同シンポジウムは、会議参加者は勿論、札幌市民にも公開されるもので、日・英の同時通訳を無線受話器で聞けるという特別手配もなされていました。

 シンポジウムはまず「高峰譲吉博士」から始められました。最初の講演者は、当会会員で菌類学者の Joan W. Bennett 博士です。Bennett 博士は米国 Rutgers University の教授ですが、アメリカに於ける「バイオテクノロジーの父」である高峰譲吉博士を敬愛しておられ、機会ある毎に高峰博士の偉業を講演されておられる方です。今回のシンポジウム前にも、地元・札幌聖心女子学院で講演されるなど、精力的に活動されておられます。
シンポジウム

 次は当研究会理事長(当時)の山本の講演です。山本は長年(当研究会発足以前より)高峰博士の講演を続けてきているだけに話に淀みがなく、歴史的、学術的な話題から博士のエピソードに至るまで、分かりやすく興味深い語りで持ち時間を終了しました。
シンポジウム

 最後は当研究会副理事長・滝 富雄で、滝は当研究会としては初めての講演となりました。
 マンハッタンから車で二時間ほどのサリパン郡メリーワールド・パークにある「松楓殿」の購入依頼の話から、ほとんど知らなかったに等しい高峰博士の偉業を知るに至り、ほぼ同時期に同じ米国で活躍した野口英世の知名度と比べると、雲泥の差があることなどにまず疑問を持ったこと、そして「松楓殿」を実際に見て、日本の「文化財」ともいえるこの建物を同じ日本人として何とかしなければいかんと思ったことなどから、講演を始めました。
シンポジウム
 滝は、「高峰博士は調べれば調べるほど奥行きの深い、幅の広い人物で、私を夢中にさせた」と熱く語り、ついに松楓殿の購入を決意し、また、当研究会の立ち上げに動いたと、思い出を交えて自身の口調で語り終えました。

 引き続き「北里研究所」のシンポジウムです。
 ドイツの J. Hacker 博士はご自身の分野でもある専門的な立場から、そして日本の森 孝之博士は歴史的事実から全体像に至るまでの「北里柴三郎博士」像をそれぞれ講演されました。
シンポジウム

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エピソードなど…

(1)Joan W. Bennett 博士が本会議に先立って講演された札幌聖心女子学院から校長先生が来場され、資料として使いたいと高峰博士のパンフレットを所望されました。2種類各50部ずつお持ちいただきました。

(2)一般来場者のあるご婦人はシンポジウムをお聞きになって二度も展示会場においでになり、「こんなに素晴らしい方のことを知らなかったのは残念だし、何故知られていなかったのか不思議です…」とおっしゃり、研究会への入会を約束されました。

(3)パネル等の展示物や映画「さくらさくら/TAKAMINE」のダイジェスト版DVD(ご協力:市川徹監督)等を教材に使いたいという大学等の学校関係者の方々から、素材提供に関する打診が何件かありました。有難いお話であり、できる限りご協力させていただくつもりです。

(4)会場内には、会長が同研究会の理事を務められている住友ベークライト株式会社も、ブース展示を行っていました。バイオ事業関連製品の展示でしたが、高峰博士がもしご覧になったとしたら、きっと喜ばれたに違いありません。

(5)10日の夕刻、会議場に天皇陛下がご来場になり、記念式典とレセプションに出席されました。皇后陛下は残念ながら、体調をくずされてお出でになれませんでしたが、翌日の北海道新聞には、『同会議の国内組織委員長の冨田房男北大名誉教授は式典で、天皇陛下の臨席に謝意を述べるとともに「このような会議が日本で開かれることを光栄に思う」とあいさつ。続いて開かれたレセプションで、天皇陛下は国内外の研究者らと笑顔で懇談した。』と報じられました。

(6)内輪の話ですが、今回普段は各界で多忙の理事長(当時)・山本 綽、副理事長・滝 富夫(在・ニューヨーク)をはじめ、田口俊明氏、会場設営等でお世話になった第一三共(株)・庄田隆氏の各理事が参集し、会員としては主催者側の冨田房男博士、外国から Joan W. Bennett 博士らも顔を揃え、初対面の挨拶や情報交換をするなど、研究会としても大変有意義な学会となりました。(写真は最近新築なった第一三共札幌支店)。

(7)11日は前半部門の最終日。無料の市民講座が行われましたが、高峰−北里特別展も最終日。会場スタッフの女性達が展示の最終日を告げて回り、会場は俄に盛況となりました。
会場内での誘導や案内がいかに重要であるか、改めて認識させられた一コマでした。
特別展

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会場となった札幌市について

 北海道の政治・経済・文化の中心であることは周知の通りです。市街は基本的に碁盤目状に道路が走っていて、大通公園を境に南北に「条」が振られ、創成川を境に東西に「丁目」が振られています。交差点には「南1条西1丁目」のように印されているので、東西南北の方角と数字によっておおまかな位置関係がわかります。
(資料/「ようこそさっぽろ」より)

 札幌駅近くの北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)は、1888(明治21)年にアメリカ風のネオ・バロック様式で建てられた日本の明治期を代表する建築物で、国の重要文化財に指定されています。その他のシンボルとしては、有名な「時計台」、大通り公園のテレビ塔などがあります。 市街景観
 華は何といっても冬の「雪まつり」なのでしょうが、今回は大通り公園が雪像で埋め尽くされた光景を想像するに留まりました。
 (期間中、ホテルと会場の往復だけで)観光など出来ませんでしたが、一つ思ったことは、やはり北海道はどこか空気感が違うな…ということでした。ちょっとした風景を切り取ると、そこはかとなくヨーロッパ的…と思ったのは、事務局(私)だけではなかったのではないか、と。
市街景観

(取材:平成23年9月9日〜11日/文責:事務局)

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