高峰譲吉博士研究会

お知らせ

金沢ふるさと偉人館 開館25周年記念企画展

「化学遺産認定記念 ベンチャー企業の先駆け 高峰譲吉展」のご案内

平成30年3月21日、金沢ふるさと偉人館と第一三共(株)が所蔵する多数の高峰譲吉関連資料が「化学起業家の先駆け 高峰譲吉関係資料」として、日本化学会より化学遺産に認定されました。(化学遺産認定の詳細は > こちら をご覧ください。)

金沢ふるさと偉人館では、これを記念して認定資料を広く公開する企画展が開催されています。高峰譲吉は、タカヂアスターゼの発見やアドレナリンの抽出・結晶化をした化学者であるとともに、現代にも通じる特許戦略など起業家としての側面もあります。これまであまり知られていなかった、譲吉の起業家としての新たな一面に光を当てる企画展です。
開催期間:2018年4月21日(土)〜8月26日(日)

研究会事務局は、本年5月21日にこの企画展を見学してまいりました。
展示物の一部を写真と共にご紹介いたします。


金沢ふるさと偉人館


商標登録国一覧
▲ タカジアスターゼの商標登録国一覧

商標登録国の分布図
▲ 商標登録国の分布図

まずは、タカジアスターゼの商標登録国一覧です。日本とアメリカに加え、カナダ、ノルウェー、オーストリア、ハンガリー、ベルギー、フランス、ドイツ、イギリス、ノルウェー、インド、セイロン(スリランカ)、オーストラリア、ニュージーランド、南米のアルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、コスタリカ、グアテマラ、ジャマイカ、メキシコ、ニカラグア、パラグアイ、ペルーと、実に27カ国にわたり商標登録を申請した記録と、その有効期間が記されています。パークデイヴィス社が当時持っていた世界規模の販売網に合わせて申請されたと推測されますが、今から100年以上も昔、これだけの広範囲(地図参照)に日本人が開発した医薬品が公式に登録されていたと思うと、感慨深いものがあります。


会社の株券
▲ 高峰博士が設立した会社の株券3種

ブロンズ製の記念皿
▲ タカミネ・ラボラトリーから上中啓三に贈られたブロンズ製の記念皿

アドレナリンの抽出・結晶化に成功した際、助手として活躍した上中啓三のご子孫が保管していた株券も展示されています。ピオリア(イリノイ州)でタカミネ・ファーメントを、ニューヨークに拠点を移した後、タカミネ・ラボラトリーとタカミネ・インターナショナル・ファーメントをそれぞれ設立しています。

世界初の酵素メーカーだったタカミネ・ラボラトリーは、その後MILES(米国)、BAYER(ドイツ)、SOLVAY(ベルギー)、GENENCOR(米国)、DANISCO(デンマーク)を経て最終的にDUPONT(米国)に買収されています。

譲吉が設立に深くかかわった会社を以下に羅列します。

1. 東京人造肥料会社(> 参照) → 日産化学株式会社(現在)
2. 三共商会(> 参照) → 三共株式会社 → 第一三共株式会社(現在)
3. 三共の品川工場にてプラスチック生産開始 → 住友ベークライト株式会社(現在)
 > 参照
4. 東洋アルミナム株式会社(> 参照) → 日本電力に吸収合併 → 関西電力(現在)

まさに起業家と呼ぶにふさわしい着眼点と行動力です。

展示されている資料はほぼすべてが原本であり、オリジナルです。
是非現地を訪れて、実物を観察し、当時の記録と記憶に思いを馳せてみてください。


会社の株券
▲ 特別展示の様子(左)  日本化学会化学遺産認定証(右)




(記事作成:平成30年6月11日、文責:事務局)