高峰譲吉博士研究会

お知らせ

高峰譲吉博士所蔵品特別展示会にて講演


本年は、年頭から起こった新型コロナウイルス感染症の影響で日常がガラリと変化してしまいました。多くの方が新しい生活様式への適応を余儀なくされています。

3月には、高峰博士の生誕の地である高岡市の商工ビルに松楓殿が再現移設され、約300点の所蔵品が展示されました。例年行っていた高岡市立中学校や金沢工業大学への講演活動は、残念ながら延期となりましたが、12月上旬より、この松楓殿里帰りの展示会第4弾が開催されました。関連イベントとして、12月12日に記念フォーラムが開催され、基調講演及びパネルディスカッションに清水理事長が登壇致しました。 展示と講演の様子を以下、お伝えいたします。






▲ 展示の様子

会場は高岡駅前の御旅屋セリオ(高岡市御旅屋町101)で、2F特設会場にて所蔵品展示、5Fホールにて記念フォーラムが行われました。

アメリカから海を渡って戻ってきた数々の調度品や工芸品、肖像画について、専門家の方々がさらなる調査をされていますが、これらの品々が、いつ松楓殿に運び込まれたのかという点が興味深いです。

例えば、1900年のパリ万博に出品されたとみられる荒木探令の「水墨雪中山水」は、万博終了後に博士の手元に渡ったとすれば、松楓殿を授かる前のこととなります。






▲ 山中商会のカタログ

また、テーブルや椅子などの調度品は、当時美術品や家具を扱っていた山中商会の1904年セントルイス万博用の製品カタログから高峰博士が松楓殿用に特注したものだと、高岡ゆかりの彫刻師であり、実際に家具を製作していた村上九郎作が伝えています。




▲ 実際に使用されていたイス

つまり、高峰博士は松楓殿を受ける前から美術品や工芸品を集めていて、そんな中、松楓殿を授かることになり、さらに特注の調度品を集めて、国際交流の舞台にふさわしい場作りをしていった、そんな情景が目に浮かぶのです。日本文化を西洋人伝えるために、様々な方法を追い求める高峰譲吉の行動力を感じさせられます。




▲ 島田良美先生



▲ 河田稔氏



▲ 清水理事長



▲ 米谷教育長(左から2人目)

フォーラムは、京都大学研究員(博士)の島田良美先生、宇奈月温泉自治振興会会長の河田稔氏、そして清水理事長、司会を務める高岡市教育長の米谷和也氏の4名で進行しました。

パネルディスカッションでは、100年以上も前に、遠い異国で子どもを二人産み育てた譲吉の妻・キャロラインの心情を女性の目線から見たお話や、譲吉の功績は豊富な人脈に支えられており、現代においても大事なポイントであること、好奇心を持って様々なことに挑戦することの重要性などが話の中心となり、従来とは一味変わったものとなりました。

また、今回のイベントに合わせて高岡市立図書館でも高峰譲吉の展示スペースが常設化されました。現在は高峰ゆかりの書籍や手紙、資料等に加え、DVDの観賞スペースも設けられています。今後、さらに充実していくそうなので、ぜひ足をお運びください。

研究会としても生誕地である高岡での顕彰活動に一層注力していきたいと思います。




▲ 高岡市立図書館の高峰譲吉博士関連資料常設コーナー



(文責:事務局、記事作成:令和3年1月5日)